Welcome to
平 英数教室＆ 英会話教室
PRO-VISION 2 Ｌ８ The Story of the Teddy Bear
Part １
マルガレータ・シュタイフは１８４７年、ドイツ南部の町ギンゲンで、４人姉弟の３番目の子供として生まれました。１歳半のとき、彼女はポリオによって、両足と右腕が不自由になりました。
当時は障害のある子供が学校に行くのは珍しいことでしたが、マリガレータの両親は、彼女に自立できるようになって欲しかったので、学校に通わせました。彼女はいつも友だちに囲まれている、明るい小さな女の子でした。
１８５６年の夏、９歳のときに、マルガレータはアウグスト・ヘルマン・ヴェルナー先生という医師による手術と治療を受けるために入院しました。ヴぇルナー先生のところでは、体の不自由な子供たちが自然や芸術を楽しみながら自由に暮らしていました。部屋には見事な家具、美しい絵、たくさんの本、そしてオルガンさえありました。床はいつもきれいに磨かれており、子供たちはその上を滑って楽しんでいたものでした。「人はここの子供たちは甘やかされていると言うかもしれません、」とヴェルナー先生は言ったものでした。「でも、子供のときに経験する喜びは心を豊かにします。だって [何といっても]、子供たちには最良のものだけがふさわしいからです。」
これらの言葉はマルガレータに深い感銘を与えました。そして彼女はヴェルナー先生のところで過ごした幸せな日々を決して忘れませんでした。しかしながら、彼女は手術に耐えて、リハビリに一生懸命に励んだけど、彼女の状態は改善しませんでした。
Part ２
１８６４年、１７歳のとき、マルガレータは自分の病気が治らないことに気づかせられるある新聞記事を偶然見つけました。彼女は、「他の人たちのように歩くことができたらいいのに」としばしば思いました。でも自分の運命を受け入れて、人生における自分自身の道を見つけようと決心しました。「自分に欠けているものや決して自分のものになりえないものを手に入れようとして絶えずもがく代わりに、自分に与えられているものに感謝して、自分にできることを精一杯やろう。」
マルガレータは以前、洋裁学校に通ったことがありました。最初のうち、彼女は洋裁は極めて困難だと思いました。右腕を少しでも動かしたら痛み、左手を器用に動かすことができませんでした。しかしそのことのどれも、彼女が最善を尽くすことを妨げませんでした。彼女は２人の姉と一緒に仕立て屋を始めようと決心しました。シュタイフ姉妹は、すばらしい仕事をすると、すぐに町中で評判になりました。
１８８０年、３３歳のとき、マルガレータは雑誌で象のぬいぐるみの型紙を見つけて、最もすばらしい羊毛を詰めたフェルト製のひとそろいの象を作るためにその型紙を使いました。彼女はそれらをクリスマスプレゼントとして自分の姪や甥にあげました。子供たちはその象をとても気に入ったので、これらのフェルト製の象と一緒に寝さえしました。
「私が小さいころにこのようなおもちゃがあったらなあ。そのおもちゃは病院の子供たちを元気にしたでしょうに。」 のちに、マルガレータはその象を商品として売り始めました。
Part ３
１９０２年、マルガレータが５５歳のとき、人生における大きな転機がありました。彼女の甥がスケッチした型紙をもとにしたクマのぬいぐるみをつくりました。以前、このようなおもちゃはありませんでした。動くように、腕、脚、首に継ぎ目がありました。目は輝くボタンでつくられていました。体は柔らかな毛皮の質感を出すためにモヘアでできていました。
最初、マルガレータはぬいぐるみのクマの生産を進めるべきかどうか自信がありませんでした。それはつくるのが複雑で、材料が高価だったからです。しかし、最終的に、子供たちには最良のものだけがふさわしいという彼女自身の信念にもとづき、それを生産することに決めました。
国際見本市で、クマのぬいぐるみはアメリカのおもちゃ会社のバイヤーの目を引き、そのバイヤーは３,０００体を注文しました。そのようにして、マルガレータのクマは海を渡ってアメリカに行きました。それはアメリカで人気となり、、アメリカではテディベアと呼ばれました。
テデイベアはすぐにマルガレータの会社の最もよく売れる商品となりました。デザインにいくつかの変更が施され、ついにそれは、今日私たちが知っている、抱きしめたくなるような体と、無邪気な子供のような目を持つおもちゃになりました。マルガレータは１９０９年に６１歳で亡くなりましたが、彼女の理想は世代から世代へと伝えられてきました。品質基準は変わっていません。それぞれのテディベアは今でも、熟練した職人によって注意深く手作りされています。